便秘を経験したことのある人の約半数は痔になった経験があると言いますが、便秘と痔には何か関係があるのでしょうか?
痔は中年男性のなる病状と思っている人も多いですが、若い女性であっても便秘による痔を経験している人がとても多いのです。どうして便秘が原因で痔になるのでしょうか?
便秘と痔の関係とは?
便秘の状態が続くと便の水分が失われて固くなります。その固い便を無理矢理出そうといきむことで、肛門に負担がかかってしまい、肛門が傷つけられてしまいます。
これが便秘によって起こる痔の原因です。
さらに、一度痔になってしまうと、肛門が痛いのが嫌だから、便を出せないと感じるようになる人もいます。
そして便意を我慢すると便秘が悪化し、さらに便が乾燥して固くなり、・・・という悪循環になってしまうのです。
便秘の痔は『切れ痔』と『いぼ痔』がほとんど。
痔は症状やできた場所によってさまざまな種類がありますが、便秘によってなる痔は『切れ痔』と『いぼ痔』が圧倒的に多いと言われています。
まず、『切れ痔』は肛門の粘膜が避けて傷が出来る痔の事です。
固い便が無理矢理肛門を通過することが原因で起こり、若い女性に多いタイプの痔だと言われます。
軽い切れ痔は自然治癒も可能ですが、切れ痔を何度も繰り返していると肛門周りの皮膚がたるんでしまったり、肛門の奥にポリープができてしまったりすることもあります。
肛門の奥にポリープが出来ると、便の通過が困難になるため、さらに便秘が悪化してしまいます。
次に『いぼ痔』ですが、いぼ痔は正式には痔核と言い、できる場所により『内痔核』『外痔核』に分かれます。
便秘により固い便が通る刺激やいきみすぎることにより、痔核になってしまいます。出血を起こしたり、脱肛したりする痔で、男女ともに痔の中で一番多く見られます。
便秘による痔の解消法
便秘によって固くなった便を排出するとき、肛門には大きな負担がかかります。
逆に言えば、「便が柔らかい状態で通過出来れば便秘に悩むことはなくなる」とも言えます。
便を長い間腸の中に留めておくと、腸管が便の水分をどんどん吸収して便が硬くなるので、早い段階で便を排出することが出来るよう、腸の働きを良くする事が大切です。
また、体の水分が少ないと必然的に便にも水分が少なくなってしまいますので、普段から便秘に悩んでいる人は水分を沢山摂って、腸内にある便に水分を含ませましょう。
軽い痔の症状であれば、市販薬で治療することも可能です。また、生活習慣を改善しつつ便秘に効果的なサプリなども検討してみると良いでしょう。
あまりにも症状がひどく、便秘薬では効果がない、繰り返し発生してしまうような場合には、専門医へ相談するようにしましょう。